AQUA EDEN


ゴンドリエが謳い、大道芸人が笑顔を振りまく
水に覆われし美しき都
それは災厄により氷の下に沈んだヴェネツィアの風景
失われたはずのこの街は、はるかなる時を経てウェブ上に蘇った
ウェブテーマパーク"AQUA EDEN"、電脳の海に浮かぶ水上都市
それは祖国を愛する男の悲願だった
しかし、男の理想は少女を孤独にした
やがて少女は、自分より愛されるこの街を憎み始める
そんな少女に降ってわいた、仕返しのチャンス
それが破滅へと至る鍵へと知らず、少女は"それ"に手を伸ばした

トーキョーN◎VA The Detonation
"AQUA EDEN"

笑ってほしいんだ、だって君にはきっと笑顔が似合うから

▼カブキ:"AQUA EDEN"の見習いガイド

・コネ:アーデリア 推奨スート:感情

 君は現在ウェブテーマパーク"AQUA EDEN"で働いている。未だ見習いである君には、ガイドの手伝いも仕事のうちだ。そのガイド手伝いへと向かう途中、君は一人の少女に出会った。
 アーデリアというその少女は、思い出の風景を探しているのだという。探しものを手伝って欲しいという彼女の願いを、君は引き受けることにした。だって今の彼女はちっとも楽しくなさそうで、そんな彼女の笑顔が見たい。そう思ったからだ。

▼トーキー:記者

・コネ:"ウンディーネ"ポートリア=ルティーエ 推奨スート:感情

 取材のため"AQUA EDEN"を訪れた君は、そこでハプニングに遭遇した。案内人であるポートリアの助手、『カブキ』が予定にないお客を連れてきたのだ。思い出の風景を探す少女を、一緒に案内させてくれないかという話だった。
 接客業としてあるまじき話だが、君はそれを快諾した。だって、普通に観光するよりも思い出を探す少女という方が記事になりそうじゃないか。

▼ニューロ:フリーランスハッカー

・コネ:アレクシス=ランバート 推奨スート;理性

 企業買収よりルテチアロンドン支社を守りぬいた欧州の英雄、アレクシス。それが今回の依頼人だった。
 何でも彼の運営するウェブテーマパーク"AQUA EDEN"のアクセスキーが盗まれたのだという。君はそのアクセスキーを利用したアタックより"AQUA"を守ること、そして犯人を"保護"することを依頼された。犯人の"保護"という表現は引っかかったが、報酬の額はそれを差し引いても十分な額。君はこの依頼を受けることにした。

▼イヌ:ブラックハウンド機動捜査課

・コネ:"イーヴル・アイ"科野顕穂 推奨スート:理性

 フジタサイバーガード電脳対策課特別処理班班長、科野顕穂。商売敵でこそあるが君は彼女に一目を置いているし、彼女もまた君を高く評価していた。
 電脳テロリスト"ナイトメアストーム"を追いかけ、君達は再び相見えることになった。科野は"ナイトメアストーム"が"AQUA EDEN"に潜伏している可能性を示唆して言った。「我々は殲滅のための準備をしている。周辺被害を出したくなければ、早々に解決してみせろ」と。

●各枠の補足

・カブキ
 アーデリアの探しものを見つけるのが明確なモチベーションですが、同時に「彼女を笑わせる」というのが最終的なモチベーションになります。アーデリアは結構つんけんした娘さんなので、それでも積極的に関わってくれるキャストを期待します。
 キャストはガイドとして雇われていても構いませんし、もしくは芸人として雇われたものの見習い期間として街を知るためにガイドの助手をやっているということでも構いません。



・トーキー
 『カブキ』と逆に街を楽しむ側であり、そして『カブキ』とアーデリアを見守る枠でもあります。

・ニューロ
 ハンドアウトをよく読めば分かるでしょうが、導入自体は依頼形式なものの立ち回りは比較的人情的な導入になります。また、『カブキ』や『トーキー』とは違い、一歩はなれた立場から"AQUA"についてリサーチしていく流れになります。

・イヌ
 今回、穏やかな導入が多い中ほぼ唯一のハードな導入の枠です。フジタサイバーガードの殲滅作戦が開始される前に、テロリストを捕まえることがモチベーションとなります。シナリオコネの科野顕穂に関してはGF誌の10-3を参照ください。所属はフジタサイバーガードなどでも構いません。

■必要神業

 本シナリオでは≪チャイ!≫が必要である。
 これとは別に、敵ゲストの即殺神業のみでキャストが死亡するのを防ぐために1発以上の防御神業が必要である。

■達成値環境

 本シナリオでは大体最大達成値が25程度のキャストの参加を想定している。

■備考

 本シナリオの舞台はN◎VAではなくウェブ上の仮想テーマパーク"AQUA EDEN" となる。使用する都市社会技能は<社会:ヴェネツィア>となる。各キャストはプレアクト段階で本シナリオに限り有効な<社会:ヴェネツィア>をダイヤで取得する。
 "AQUA EDEN"はルール上、ホワイトエリアのウェブコンプレックス(GXD-P.130)として扱う。そのためウェットのキャストでも、ルール的な制限なしで本シナリオに参加することが可能である。

ヴェネツィアについて

 本シナリオはヴェネツィアを基にしたテーマパークを描いたシナリオである。そのため事前にヴェネツィアについて調べておくとよりアクトを楽しむことができるだろう。
 参考としてシナリオ作者が事前調査に使用したページのURLを以下に示す。
http://www.geocities.jp/mondodiyumiko/venezia/prima.html
http://www.tobiq.com/cpg/thumbnails.php?album=48
 更に本シナリオの作風はヴェネツィアを基に描かれた漫画「AQUA」および「ARIA」により大きく影響を受けている。あわせてこちらをご確認いただくと、シナリオが目指した雰囲気を共有しやすいだろう。

■ゲスト紹介

▼アーデリア(マネキン◎)
 "AQUA EDEN"でふてくされていた8歳程度の少女。大きな熊のぬいぐるみを抱えて、いつもむすっとした表情をしている。



▼"ウンディーネ"ポートリア=ルティー(ミストレス◎)
 "AQUA EDEN"一番のゴンドリエと称される人気ガイド。いつもににこにこ笑っており、「あらあら」が口癖。たまに悪戯っ気を見せる一面もある。

▼アレクシス=ランバート(カリスマ◎)
 英国貴族であり伝統と名誉を重んじるレ・トロン・ド・ルテチア・ロンドンの重役。テラウェアの買収から同社を守りぬいたG&B王国の英雄。
 詳細はSTL-P.47参照。

▼"イーヴル・アイ"科野顕穂(イヌ◎)
 フジタサイバーガード電脳対策課特別処理班班長。両目をバイザーで覆った鋭い顔立ちの美女。常に冷静沈着で電脳戦、特に電脳攻勢に優れる。
 詳細はGF誌、10th season Vol.3のニューロビート参照のこと。

▼"ナイトメアストーム"(ニューロ◎)
 年齢不詳、性別不詳、正体不明。ただ、様々なデータベースを無秩序に破壊して回る電脳テロリスト。